美しき兄弟愛、そんな一言で片付けていいものではない。
運命を否定したり、肯定したり、変えようと努力して、挫折して
受け入れようとして、無理だと分かって、泣いて
そんな運命がいくつもの残酷な真実を作り上げる
そんな物語だったと思います。
ペンギンはどれも可愛らしいですね。一号も二号も三号も、エスメラルダも
被り物のやつも。
彼らが一体なんだったのか、どうしてペンギンなのか
それについてはよくわかりませんでしたが、
彼らが一生懸命になって動いていたりするところを見ると
可笑しくなって、でもなんだか胸が締め付けられるような感覚もあって
動物つながりで、うさぎさんも
個人的には可愛かったです。
演出的にどうしても憎らしくてこわい感じでしたが
彼らも運命の乗り換えと共にまたいなくなってしまうのかと思うと
淋しげに思えました。
冠葉
兄として、みんなを守る
兄として、妹を救う
そのためならこの身が滅びようとも
しかし……あのやり方ではどうにも責められるより他ありません。やめるべきだった。
べきでしたが……境遇が、妹の危機が、なによりそれを誓った自分がそれを許さない。
あまりに背負いすぎた、ということだと思います。
人として褒められたことではありません、それどころか最低の部類に入る、が
兄としては、最も高いところにいたのかもしれません。
昌馬
人一倍優しく、人一倍弱く
人十倍に妹思いなお兄さん。
大きな道徳心を持って、陽毬を妹としたお兄さんでしたが
非力に打ちひしがれ、両親の非を自分のものとして自ら責める。
彼もまた背負いすぎたのだと思います。
冠葉に引っ張られるように見えながらも、自分から動くことの多かった
お母さんのようだと言われていましたが
母のような大きな愛によって陽毬も萃香も包み込む
大きな人間だったと思います。
萃香
最初はストーキングヤンデレ少女という最低な始まりでしたが
話が進むにつれ徐々にその秘密も明らかになり、
彼女も事件を引きずる人間の一人だったということがわかると
とても切ない思いになりました。
でも後半昌馬とラヴい感じになってたのは可愛くてよかったなぁ。
destiny!!
陽毬
生存戦略!!
この物語で幾度となく繰り返された印象的なセリフでした。
よく考えてみるとあれって桃香ちゃんの片割れなんだよね?
あばずれだのメス豚だのなんだのって……酷いなねーちゃん。
陽毬ちゃん自体は可愛くて健気で
捨て子時代のふさぎこんだ感じの反動なのかそれとも愛の力なのか
とても尽くし屋で可愛かったですね。いいなぁ、あんな女の子、
私も身の回りに一人ぐらいいれば癒されるんだろうなー。
凸キラーン
よくよく見てみると高倉の父の言うとおり、……いや事件のせいもあるんだろうけど
この物語の大人はどれもこれも、廃れきっているというか
腐ってるというか
どれもこれもひどいやつばっかりですな
とくにあの宝塚っぽいあいつ、まじツマンネェ男役ですな。
痺れるねぇ
勝手ですがあの分室のカエルくんシリーズを
人生全てをかけてもいいから読み尽くしてみたい。